
コンピュータは情報を処理しています。
情報とは「データ」のことです。「データ」は【変数】を使って表します。
あなたはコンピュータがどのように「データ」を扱っているのか知っていますか?
プログラミングは情報を「データ」として表現する方法を知ることからはじまります。
・コンピュータが情報を処理するってどういうことなの?
情報や「データ」といった言葉を意識して理解していなくとも、プログラムは書けるようになるかもしれません。
ただ、変数の根本的な理解ができていなければ、なかなか学習が前に進んでいかないことも事実です。
今回はまず、“変数は箱である”という理解を一歩踏み込んで"変数というラベルのついた箱を自分で用意する"ことでプログラムが書きやすくなることを理解しましょう。
その次に、「データ」とは具体的に何か?を解説します。
そして最後に、変数を使いこなすためには、どんな手続きが必要になるのかを確認します。
この記事を読めば、
情報という「データ」を扱うために、変数の使い方の理解を深めることができます。
目次
変数は箱であるというけれど・・・
データはメモリに保存される
冒頭でも説明したように、情報は「データ」です。
コンピュータは情報を処理しています。
処理の流れは次のような流れになります。
このときの「データ」はコンピュータ内部のメモリという装置に保存されます。
コンピュータは「情報処理」してはメモリに入れ、データを出しては「情報処理」を繰り返し行っています。
データを保存するために変数を使う
メモリとは教室の後ろのロッカーのようなもので、規則正しくたくさん並んでいます。
見た目が同じロッカーに「データ」を入れて保存します。
ロッカーには、どの「データ」を入れたか住所となるアドレスがあります。
メモリ自体が4GBであれば、約40億個という膨大な数のロッカーがあります。
どこのアドレスが空いているかを調べるのは面倒になります。
そこで自分でアドレスの代わりにラベル(名前)をつけて使うものが【変数】です。
変数を使うと処理を一般化できる
この際、何度でも言います。コンピュータは「データ」を処理します。
「データ」は情報であり、さまざまな値のことです。
この値を入れておく箱が【変数】です。
たとえば、ラベルAとラベルBの箱の和を求める場合、
・ラベルA + ラベルB
として処理を一般化することができます。
箱【変数】を用意して、その中に「データ」を入れることで「情報処理」の表現を1つにすることができます。
もっと変数を理解するために「データ」とは何かを知ろう!
「データ」はさまざまな情報
情報には種類があります。
コンピュータがメモリを確保しやすくするために情報に型を設けています。
データ型にはいろいろな種類がありますが、基本的なデータ型は以下の通りです。
他のプログラミング言語にも、おおよそ共通しています。
-
- 整数型 例:0、555、-999
-
- 実数型 例:1.2、0.5、-9.9
-
- 文字型 例:A、あ、エ
-
- 文字列型 例:ABC、あめ
-
- 論理型 例:true、false
もっとも単純な「データ」は値
物の量を表現したものが値になります。
料理でいう分量や時間、温度などを数で表現できます。
-
- 分量:100g
-
- 時間:20分
-
- 温度:180℃
また、文字型、文字列型の値は、シングルクォーテーション記号「'」やダブルクォーテーション記号「"」でくくって表現します。
たとえば数値の50なのか、それとも文字列としての"50"なのか?
記号を使い数値か文字列かを区別します。
-
- 数値としての「値」の50 → 50
-
- 文字列としての「値」の50 → "50"
①変数名を付ける
どんな「データ」を入れておくものなのか変数に名前を付けておきます。
変数名は、
- 1つのプログラムの中で、同じ変数名を使うことはできません
- 数字のみ、もしくは数字から始まる変数名は使用できません。
変数名を付けるポイントは
- 変数が扱うデータの種類・内容がわかるようにする
- プログラムを数年後に読んで、誰でも理解できる変数名を付けることを心がける
②変数の型を決める
宣言するデータの型により、どのくらいのメモリを確保するかが変わってきます。
どのくらいのメモリ容量を使うかは、予約制と考えるとわかりやすくなります。
たとえば、会議室が予約制であれば、どのくらいの時間を確保するのか?と同じようなことです。
会議の出席者は何人なのか?それによって用意する資料の数も変化します。
③1つの変数には1つのデータしか入らない
変数を扱うときのルールとして
1つの変数には、1つのデータしか入れることができません。
変数Cに値5が入った状態で変数Cに違う値9を代入すると、値5は消えてなくなり、値9のみが入っている状態となります。
それまで変数に入っていた値5はなくなります。
④代入の記述と初期化
変数にデータを入れることを代入といいます。
多くのプログラミング言語では、変数名と代入するデータを等号でつなぎます。
変数を宣言してから、最初におこなう代入のことは、とくに変数の初期化といいます。
変数名をつけて値を代入する場合、適当なメモリ領域から割り当てるので、前回使われていた値を消すために必要になります。
⑤変数のデータを参照
変数iに自分の値を参照して計算し代入する、次のようなケースを見てみます。
まとめ
プログラミングをするには、情報処理の仕方を学ばなければなりません。
今回は情報である「データ」を扱う上での基本となる変数を解説しました。
以下で、学んだポイントをまとめておきます。
-
- 変数を使用する場合は、自分でラベルを付けてデータを管理すれば便利
-
- 「データ」でもっとも単純なものは数値であり、その数値にも型がある
-
- 変数を使いこなすためのルールや変数の性質を学びデータの代入やデータの参照についての理解を深めた